紀州南高梅
 
 Q:
 八百屋さんで生の紀州南高梅を購入して梅干しを漬けても、店頭で販売している紀州梅干のようにならないのはなぜでしょう?
 A:
 産地紀州みなべ地方では、木から摘み取った南高梅は原則として漬け込みはしません。樹上で南高梅が完熟するまで待ちます。梅林の下草を半分位に刈り取り、その上に防虫効果と果実を保護するネットを敷きます。下記の写真はネットの上に完熟して落下した南高梅の様子です。その果実を下側の写真のように一粒一粒、人間の手で収穫して、その日のうちに選果、水で防虫作業、水洗浄をして丹念に漬け込みます。完熟南高梅は一般市場には全く流通しません。関東地方に出荷される南高梅は木から摘み取った成熟梅です。紀州から出荷されるときはほとんどがまだ青梅に近い状態です。店頭でだんだん黄色になってきますが、皮の厚さや果肉の固さはそのままです。店頭で販売されている生の南高梅を漬けても店頭で販売されている紀州梅干しのような柔らかさになりにくいのです。生の南高梅を漬けるときには、少し塩分を高目にして長期保存ができるようにします。2~3年位以上経ってから食べますと、塩のカドがとれて美味しくなります。塩分が高いと感じたら、水または、ぬるま湯に長めに浸けてから食べるのがおすすめです。